童謡詩人の巨星と称されながら、若くして世を去った詩人・金子みすゞ。
国語の教科書などを通して、その珠玉の詩に心動かされたことがある、
という方はたくさんいることでしょう。
いま、なぜ金子みすゞの詩が注目を集めているのかというと、
それは「自分」という存在は自分以外の誰かがいて、初めて成り立っているという
基本的なことを思い出させてくれているからだと思います。
そのことを端的に表現しているのが、
子供たちに人気のある『私と小鳥と鈴と』という詩です。
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面を速く走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
宇宙空間にあるもの、地球上のすべてのものは同等の価値を持つとの考えから、
命のある、なしはまったく関係なく、どちらも尊いと訴えています。
みんなちがって、みんないい
本当は当たり前のことなのに、一つの基準で全ての価値を決めてしまいがちな現代において、
この言葉は人々の心に鋭く優しく響きます。
きっと、この言葉に救われる人も多いことでしょう。
価値や基準は一つではないのだ、たとえ一つの基準で劣っていても、私の価値は失われないのだ、
と思い出させてくれる言葉です。
オフィス・キズナで働き、グループホーム・キズナで住むしょうさん達の中で
もし悩んでいる人がいたら今一番送りたい詩です。
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