昨春県優勝の千葉学芸に挑んだわせがくは、0―82(5回コールド)の大差ではね返された。
千葉学芸の82得点、二回の1イニング33得点はいずれも千葉大会の最多記録を更新した。
通信制で、心身の調子を崩したり、中学で不登校になったりした生徒らも通うわせがく。
「それでも野球がしたい」と入部し、野球が仲間をつくる舞台になってきた。
今大会は、部員9人に野球未経験者も含む助っ人5人を加え出場。
単独で出場した2020年夏の初戦は多古に0―27で敗れており、
田村勇樹監督は「今年は100失点は覚悟していた」と明かす。
午前11時46分、試合が始まると、外野フライをとれなかったり、中継が乱れたり。長打が続いた。
二回には二塁手が疲れ切り、試合が中断。
田村監督は途中棄権も念頭に選手に「没収試合という選択もあるぞ」と伝えた。
ただ、選手たちの思いは続行。
「頑張ろう」「お前のせいじゃない」と励まし合い、水休憩で少し元気になった選手たちを見て、
自身も試合をやりきると決めた。
打者105人に、与えたランニング本塁打は17本、36盗塁。午後2時59分。
この日ベンチ入りした12人全員が出場したわせがくは、計15個のアウトをとり、五回裏の攻撃もやりきって試合は終了した。
この試合で捕手と投手をやり、1安打もした前田陽亮主将は「(3時間13分なんて)夢中で気づかなかった」と汗だく。
「この試合はたぶん忘れることはないと思います」
田村勇樹監督は試合後「一時は棄権し没収試合も考えた。よく最後まで戦ってくれました。感謝しています。
この学校の生徒は9割が不登校を経験している。
そんな選手たちが笑顔で野球をやってくれたのは教員冥利に尽きます」と語ったそうです。
この記事を目にした時に、野球のスコアではないと最初呆れて読んでみると、最後は感動しました。
試合で大敗した事ではなく、
試合が出来た事、やりきった事
にフォーカスし満足している事に。
スポーツの素晴らしさは、勝ち負けの結果よりも大切なことがあると教えてくれること。
選手の爽やかさは見る人に感動を与えます。
「自由」を大切に、「個性」を尊重し、「夢」を育む
を教育方針に掲げる通信制高校のわせがく。
夢を有難う!感動を有難う!