「ハンマーヘッドシャークって分かります?たくさんゴミになっちゃってるらしくて。
それでシューマイを作ろうとしてるんです」
ハンマーヘッドシャーク・・・頭の形が特徴的なあのサメ。
それがゴミになってて、シューマイをつくる?
捨てられてしまっているサメを地域の新しいお土産に。
舞台は、千葉県南東部の太平洋側にある、いすみ市の大原漁港です。
伊勢エビやマダコなど、たくさんの海の幸が水揚げされます。
トンカチのように横に伸びた頭が特徴の、シュモクザメ。
その頭の形から、ついた英名は「ハンマーヘッドシャーク」。
このシュモクザメ、この大原漁港で「やっかい者」として扱われているというのです。なぜなのでしょうか?
大原漁港では、市場で買い手がつかない魚、いわゆる「未利用魚」と呼ばれる魚も一緒にあがりますが、
このシュモクザメもその一つだそうです。
網にかかるとタイやヒラメなど、他の魚にかみついたり、そのざらざらとした肌で傷をつけてしまって商品価値を下げてしまい。廃棄処分のため、専門業者へ依頼するにも費用がかかります。
こういうことから「やっかい者」となってしまっているということなのです。
今回シューマイ作りを提案した一般社団法人「Tsumugi」の代表、石和田直孝さんは、次のように話します。
「たまたま網にかかったサメが捨てられちゃって、そのまま命が無駄になっていると聞いたので、そこでなんとかできないかと思いました。せっかくなら、新しく地域のお土産を作り、地元の人たちのもとに還元していくという流れが一番良いと思ったので、今回のシューマイ作りに繋がりました。調理方法など、やはり自分たちだけでは気づかないところがたくさんあるので、地元の人たちに話を聞きながら取り組みましたが、100年続くようなお土産、自分たちで作ったブランドにしていただきたいと思います」
「もし商品化が決まれば、売り上げの一部を全国の子ども食堂や、そういった支援を必要としている場所に回したいです。地域の課題を解決すると同時に、これから生まれてくる子どもたちや、地元の未来のためにどういう風に想いをつなげていくかっていうのが、僕たちの役割かなと思っています。シューマイを通していろんな輪が広がっていってほしいと、心から願っています」
素晴らしい取り組みだと思いませんか?
千葉県だけではなく、全国にはお店に出ず捨てられている食材が五万とあります。
それを活かして、商品化し、売上の一部を社会貢献にまわしていく。
当社がやっている障がい者就労支援事業に通じるものを感じます。
社会的に使われていない労働力を掘り起こして、世の中に役に立つビジネスをし、お客様に喜んでいただく。
シュモクザメも喜びます。
地元の人も購入する人も喜びます。
しょうさんも喜びます。
ワンコin食堂やキズナコーヒーに来たお客様も喜びます。
世の中に無駄なものは無いんです。
それを活用するアイデアと志さえ有れば。