メキシコの漁師とMBAコンサルタント
- 皆川 義廣
- 2020年8月31日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年9月1日

メキシコの海岸沿いの小さな村に、MBAをもつアメリカのコンサルタントが訪れた。
ある漁師の船を見ると活きのいい魚が獲れている。
コンサルタントは聞いた。
「いい魚ですね。漁にはどのくらいの時間かかるのですか?」
「そうだな、数時間ってとこだな。」
「まだ日は高いのに、こんなに早く帰ってどうするのですか?」
「妻とのんびりするよ。一緒にシエスタを楽しみ、午後にはギターを弾きながら子供と戯れ、夕暮れにはワインを傾けながら妻と会話を楽しみ、それで、寝ちまうよ。」
それを聞いてコンサルタントはさらに質問をした。
「なぜもう少し頑張って漁をしないのですか?」
漁師は聞き返した。
「どうして?」と。
「もっと漁をすれば、もっと魚が釣れる。それを売れば、もっと多くの金が手に入り、大きな船が買える。そしたら人を雇って、もっと大きな利益がでる。」
「それで?」と漁師は聞く。
コンサルタントは答える。
「次は都市のレストランに直接納入しよう。さらに大きな利益がうまれる。そうしたら、この小さな村から出て、メキシコシティに行く。その後はニューヨークに行って、企業組織を運営すればいいんだよ。」
「そのあとはどうするんだ?」漁師はさらに聞いた。
コンサルタントは満面の笑みでこう答えた。
「そこからが最高だ。企業をIPOさせて巨万の富を手に入れるんだ。」
「巨万の富か。それで、そのあとはどうするんだい?」と漁師は最後に質問した。
「そしたら悠々とリタイヤさ。小さな海辺の町に引っ越し、家族とのんびりシエスタを楽しみ、午後にはギターを弾きながら子供と戯れ、夕暮れにはワインを傾けながら妻と会話を楽しむ。のんびりした生活を送れるのさ。」
漁師はため息をつき、やれやれ、という顔で一言を付け加えた。
「・・・・そんな生活なら、もう手に入れているじゃないか。」
この「メキシコの漁師とMBAコンサルタント」の寓話は、
1. お金がなくても幸せになれる
2. 目的と手段を間違えるな
3. 時間の大切さ
を教えてくれます。
特に新型コロナウィルスで、地方や田舎に引っ越したり、ワーケーション (work + vacation) をする人がじわじわと増えてきている様です。
会社がリモートワークを認めてくれるなら、わざわざ高い家賃の都心に住む必要は無いし、混んだり・コロナウィルス感染リスクのある痛勤もする必要はありません。
家賃や住宅ローンの固定費を下げる事で生活費も楽になります。
また、自然豊かな田舎で家族と一緒のスペースで仕事をし、今まで痛勤や残業や同僚との飲み会で使っていた時間を家族や趣味の時間に充てることでのんびりした生活を手に入れる事ができます。
withコロナでのライフスタイル変更を考えている人にとって、この寓話は一つのヒントを与えていると思います。